私はここ5年ほどFXの情報商材についてレビューしており、業界の変遷を色々とみてきました。

その中で最近の主流と言えば、チャート上にエントリーやエグジットのシグナルの出るインジケーターが入った商材です。

以前は自分でチャート分析をして裁量判断でトレードしていくタイプの商材が主流だったのですが、MT4の普及やサインの明快さや手軽さのおかげでシグナル系商材の需要が高まっているのでしょう。

実際、私のもう一つのブログである「インディケーター貯蔵庫」でもアクセス数のあるインジにはシグナル系が多いです。

さらに最近のシグナル系の商材は、サインの精度が高くて本当に無裁量で勝ててしまうものや、ロジックを完全公開しているもの、EA化してしっかりとバックテストしているものなど、利用者にとって非常に有利な条件で販売されているのも人気の理由でしょう。

さて、そんなシグナル系ですが、実は「ルールが守れなくて悩んでる」といったご相談を多く頂きます。

無裁量のシグナルに従ってさえいれば、トータルで利益が出せるはずなのにそれが出来ない、というのは非常に残念なことです。ですが、シグナルにはシグナルなりのの難しさがあるのも事実です。

そこで今回はシグナル系のルールが守れない理由と解消法について解説します。

ルールが守れない例

実際に私がシグナルを使っているトレーダーさんからよく頂く相談内容は以下のものが多いです。

  1. 利食いを早い段階でやってしまう
  2. エントリーして含み損が出て、ようやくエントリー地点に戻したところで決済する
  3. 勝手にエントリーを見送る

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1.利食いを早い段階でやってしまう

エントリー後、順調に含み益も増え続けている状態の時に、決済のシグナルも出ていないのに勝手に利食いするチキン利食いです。

上のチャートの例ではかなり早い段階で利食いしたので、利食い後の下落を見ているときは、自分の利食いを正当化したいがために「早く上げろ!!!」と思いたくなるものです。

2.エントリーして含み損が出て、ようやくエントリー地点に戻したところで決済する

エントリー後、損切りには届かないものの含み損を持つ時間があり、その後ようやく含み損がゼロになった時点で逃げるように決済してしまうパターンです。

これは本当に合理的ではありません。
しかし実際にポジションを持つと、「負けトレードになるかも・・・」と思えたポジションが、なんとかプラマイゼロで終えられる!と思ってしまうと、決済したくなる気持ちも分かります。

3.勝手にエントリーを見送る

連敗が続いた後にやってしまいがちなルール無視です。

「どうせ次も勝てないだろ!」
と決めつけて、本当はエントリーすべきところでエントリーを見送るケースが多いです。
そしてそんな時に限ってエントリーしていたら大勝ちしていた・・・なんてことも多いです。

なぜシグナルトレードでルールが守れないのか

私自身の経験や多くのトレーダーさんの相談を受けて、「なぜシグナルトレードでルールが守るのが難しいのか?」について考えたところ、2つの理由が見つかりました。

  1. 自分の判断の方がシグナルよりも優れていると思っている
  2. リスクを取る事を恐れている

自分の判断の方がシグナルよりも優れていると思っている

過去のシグナルを見た結果から、シグナルについては基本的には信用している。だけど、自分が手を加えた方が良い結果になる」と考えている人は多いです。

しっかりと検証して、どんな時に裁量を入れた方が効果が高くなるかを知った上で、自分で手を加えることは悪くありませんし、究極的にはそれを推奨するシグナル系も多いです。

問題は、過去の検証すらしていないのに、行き当たりばったりで勝手に自分の判断を加えるケースです。特に自分がポジションを持っていて冷静な判断が難しい時に、過去の検証もしていない勝手な裁量で良い結果になるわけがありません。

しかし、それでもなぜか「自分の判断の方が優れている」と勘違いすることが多いのです。

リスクを取る事を恐れている

チキン利食いや勝手にエントリーを避けるのは、これ以上リスクを取る事を恐れているからです。

「もう含み益を減らしたくない」、「これ以上負けたくない」という気持ちから、リスクを取るのが嫌になるのですが、これはあくまでも感情的なものです。

「リスクを取るべきではない」という状態は事前に決めておくべきであって、それ以外の時は、チャンスがあればリスクを取るのがトレードの基本です。

シグナル系は次の動きを予想するものではない

「え?」と思われるかもしれませんが、シグナル系のツールは次の動きを予測するものではありません。

あくまでも、そのシグナルに従って取引を続ければ、トータルではプラスになる傾向が高い、というポイントを示しているに過ぎないのです。

ですから、それを理解した上で、連敗があってもトレードが続けられるような資金管理でトレードを続けなくてはいけません。「次のシグナルでは絶対に勝てるはずだ!」といった過度な期待をしてもいけません。

無裁量で優位性のあるシグナル系は「サインに従うだけ」なので非常に楽に稼げるイメージがありますが、その分だけ退屈です。そして退屈だからこそ余計なことを考えて、シンプルなルールにも背いてしまうのです。

「毎日勝ち越したい」といった気持ちをグッと抑えて、出来るだけ心を無にしてトレードしましょう。

裁量を入れる場合は「どこで裁量を入れるか」を決めておこう

シグナルトレードに裁量を加味する場合は、事前に「どんな裁量を入れるか」をしっかりと決めておきましょう。

例えば、「エントリーを見送る場合の裁量」、「早めに利食う場合の裁量」、「利を伸ばす場合の裁量」などです。これらの裁量はあくまでもシグナルトレードのルールの中にあるものであって、そこから大きくはみ出るものは好ましくありません。優位性が大きくグラつく可能性もあるからです。

そして、裁量の範囲を決めたら、それ以外では余計ことはしません。
手法の優位性を信じて、トレードを続けるのみ、です。

どんなトレードスタイルや手法でも当てはまることですが、「利益を出すためのトレード」は楽しいものではありません。「退屈だなぁ」と感じることは、正しいトレードをしていることだと考えて、淡々とやっていきましょう。