金融先物取引業協会より2019年3月分の店頭FX月次速報が発表されました。
これで2018年度分の国内店頭FXの取引高が分かりましたので、本記事でまとめたいと思います。

2018年度の国内のFX取引高は3740兆4200億円!
前年度比で507兆円減(約11%減)となりました。

この3740兆円という数字の意味は、

金融先物取引業協会に登録する日本国内のFX業者における2018年度の外国為替証拠金取引の取引高が3740兆円あった。

という事になります。
金融先物取引業協会に登録しているFX業者のリストはコチラをご覧ください。
DMM.com証券やGMOクリック証券など大手FX業者をはじめとして、ほとんどの国内FX業者が登録していることが確認できます。そのため、実質的に国内業者のFX総取引高と考えていいでしょう。

 この数字には海外ブローカーやくりっく365等の取引は含まれていません。
あくまで国内店頭業者の総取引額となります。

FX取引高はFX人気のバロメーターです。
今回の記事では、これまでのFX取引高の推移や、なぜ取引高が下がっているのかについて考察します。

2018年度までのFX取引高の推移

2009年度から2018年度までのFX取引高の推移をまとめました。

年度取引高(10億円)
2018年3,740,420
2017年4,179,202
2016年4,939,083
2015年5,524,512
2014年4,697,994
2013年4,195,813
2012年2,208,456
2011年1,732,735
2010年1,979,634
2009年2,032,383

これをグラフにすると以下のようになります。

2012年度までは取引高が2000兆円程度でしたが、2013年度から一気に上がりました。
その理由は民主党政権から自民党政権に変わったことでドル円相場が一気に上昇したからです。

その後、取引高は右肩上がりで上昇。
2015年度には取引高が5,000兆円を超えた!と大きく話題になりました。

しかしその後は徐々に取引高が低下。

20018年度は5年ぶりに取引高が4,000兆円を割ってしまいました。
ピークと比較すると約32%減です。

通貨ペア別取引高ランキング

では次に、2018年度のFX取引の中で、取引高の多かった通貨ペアを順番に並べました。

順位通貨ペア取引高(10億円)
1USDJPY2,156,883
2GBPJPY440,965
3EURJPY372,156
4EURUSD334,582
5AUDJPY234,581
6GBPUSD85,700
7NZDJPY24,632
8TRYJPY22,874
9AUDUSD15,908
10ZARJPY8,250

上の表をグラフ化しました。

ドル円の取引が圧倒的です。
なんとドル円の取引だけで2018年度全体の取引の約58%を占めています。

通貨ペア別取引高ランキングは毎年大きな変動はなく、不動のドル円、続いてポンド円、ユーロ円、ユーロドル、オージー円が続きます。しかしトップ10の中で大躍進を遂げたのがトルコリラ円(TRYJPY)です。

昨年度はスワップ金利の高さや急激な下落もあって大きな注目を集めたからでしょう。
当ブログでもトルコリラについては記事にしています。

また、上位10位までの取引高を合計するとその取引高は3,696兆円となり、上位10位までの取引高だけで全体の98.8%の取引高を占めていることになります。マイナー通貨をトレードしている人はかなり少ない事が分かります。

2018年度のFX取引高が減少した理由について

2018年度も前年度に引き続き取引高が減少したわけですが、なぜ取引高が減少したのか?について考えてみました。

ボラティリティの低下

ここ数年、為替相場は比較的安定しています。
「安定」と書くと悪い感じはしませんが、FXトレーダーにとって市場の安定は決して良いものではありません。

なぜなら「市場の安定=低ボラ相場」だからです。
低ボラ相場になれば取引するチャンスも勝つチャンスも大幅に減ります。FX取引の魅力も激減して取引高が下がるのは当然です。

ドル円の月足チャートに、年度で区切る縦線を入れてみました。

いかがでしょうか?
2017年度から明らかに動きが悪くなっているのが分かります。

前述の通りFX取引の約6割がドル円の取引です。
また取引高が2位や3位のポンド円やユーロ円はクロス円で、ドル円のボラティリティの影響を大きく受けます。

つまり、「ドル円が動かない⇒クロス円も動かない」という悪循環に陥っているのが現状です。

レバレッジ規制問題

2017年の10月頃に、「金融庁がFXの最大レバレッジを10倍程度まで下げる見通し」という報道が出ました。

そして2018年から有識者会議が始まり、様々な議論を経て、2018年5月にレバレッジ規制は見送られる結果となりました。

結果としては「現行の最大レバレッジ25倍は変わらない」ということで落ち着きましたが、金融庁の規制強化に対して前向きな態度に大きな不安を感じたトレーダーは多いのではないでしょうか?

  • 「投資家保護」を一番に掲げているのにゼロカットを義務化しない(EUでは義務化された)。
  • 金融庁の天下り先である「くりっく365」は規制対象外の予定だった。
  • FXに対して反対派の人間が有識者会議に多くいた。

など、我々トレーダーからすると明らかに金融庁の利権の関係を疑わずにはいられません。

こういった事から、国内FXに対して嫌気がさして、ゼロカット付きでハイレバレッジが可能な海外FXに変えたトレーダーはかなり多かったようです。

海外業者の統計は出ないので具体的にどれくらいの取引量があるかは分かりませんが、馬鹿に出来ないほどの取引高になっているのではないかと推測します。

今後のFX取引高はどうなる?

前述のように現在は外国為替市場全体にボラティリティがありません。

この低ボラはいずれ何らかのファンダメンタルズ要因で解消されるだろうと考えていますが、それが起きるまではFX取引高の上昇は望めないかなと考えています。

補足:国内バイナリーオプションの取引高について

国内バイナリーオプションの取引高の統計も出ていましたので、表にまとめました。

年度取引高(10億円)
2018年395
2017年445
2016年462
2015年556
2014年761

国内バイナリーオプションも相変わらず右肩下がりです。
2014度と比較すると2018年度は約半分・・・。

この要因は明らかに海外バイナリー業者の台頭です。
国内バイナリーは規制が多く、取引ルールも複雑になっています。

そのため、多くのトレーダーがシンプルで規制の緩い海外業者に移行していると思われますので、この数字も納得です。

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