トレーダーがハマッてしまいがちな「ギャンブラーの誤謬」について解説します。
勝率5割の手法で現在4連敗中・・・。
でも勝率5割だから、次こそは必ず勝てるはず!

こう考えて次のトレードでは自信満々に高ロットでエントリーした経験はありませんか?

残念ながらそれは「ギャンブラーの誤謬」に陥っている可能性が高いです。

「え?違うの?」と思われた方は今回のの記事をご覧ください。
今回はトレーダーがハマッてしまいやすい確率論の一つである「ギャンブラーの誤謬」について解説します。

ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)とは?

ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)とは、統計学や投資でよく使われる言葉です。

誤謬はあまりなじみのない単語ですが、「間違えること、一見正しく見えるが誤っている推理」と言う意味で、「真理」の反対語になります。

では「ギャンブラーの誤謬」はどんな意味かというと、「自分の主観によって確率論を無視し、少ない試行回数から誤った結論を導き出すこと」です。

なかなかわかりにくいですね。
例を出しましょう。

コイントスの例

イカサマなしでコイントスをしたら、以下のような結果になりました。

1回目:表
2回目:表
3回目:表
4回目:表

4回連続で表が出ています。
では、5回目で裏が出る確率は何パーセントでしょうか?

「コイントスをして表が出る確率も裏が出る確率も50%・・・。
それにも関わらず、表が4回連続で出るということは、裏が出る確率は高まっているはずだ!」

・・・と考えてしまった場合、まさに「ギャンブラーの誤謬」に陥っています。

 

この問題の答えは50%。
何回連続で表が出ようとも、次に裏が出る確率も、表が出る確率も等しく50%です。

コイントスの場合、表と裏が交互に出るようなイメージがありますが、そんなことはありません。何度も表や裏が連続することもあります。

しかし、そういったコイントスを何百回と続けると表と裏の出現率が50%に収束している、というのが確率の考え方です。連続したコイントスの中のごく一部を切り取ってみてみると、表が出る確率が50%を超える事はよくあるのです。

このように、少ない試行より得られた情報から、勝手に確率論を誤って解釈することをギャンブラーの誤謬と呼ぶのです。

ボールを取り出す例

ではもう一つ例を出しましょう。

中の見えない袋の中に、全く同じボールが10個入っています。
10個のボールにはそれぞれ1~10の文字が書かれています。

ここでボールを1個取り出して、出た数字を記録して、再びボールを袋の中に入れる、という作業を繰りかえします。

これまでに4回行ったところ以下のような数字が出ました。

1回目:4
2回目:6
3回目:2
4回目:3

では5回目に10の書かれたボールが出る確率は何パーセントでしょうか?

これまでに10が出ていないから、10が出る確率は高まっている・・・
と考えるのはギャンブラーの誤謬です。

 

答えはもちろん10%です。
どの数字であっても、5回目の出現する確率は10%です。

ここで重要になってくるのが、「取り出したボールを再び袋の中に入れる」という点です。
袋の中にボールを戻すことで、常に袋の中にボールは10個ある状態になりますので、何度やっても確率は同じになるのです。

ギャンブラーの誤謬になるのは独立試行のとき

上記のコイントスの例とボールを取り出す例に共通している事があります。

それは、「現在の試行が次回以降の試行の確率に影響を及ぼさない」点です。

コイントスをして表が出たからといって、次に裏が出る確率が変わるわけではありません。
袋からボールを取り出して戻す場合も、袋の中に常にボールが10個入っているため、何回やっても特定の数字が出る確率は変わりません。

このように、現在の試行が次回以降の試行の確率に影響を及ぼさない事を「独立試行」と呼びます。

独立試行のケースでは、何度やっても確率は変わりません。
そのため、コイントスをしていて「表が続くから次は裏が出そうだ!」と考えるのは正にギャンブラーの誤謬になります。

同じような独立試行の例としては、サイコロの目、ルーレット、そして私が知る限りでは多くのトレード手法が該当します。

ギャンブラーの誤謬にならない時もある

ギャンブラーの誤謬になるのは、現在の試行が次回以降に影響を及ぼさない独立試行の時です。

では、現在の試行が次回以降に影響を及ぼすケースなんてあるのでしょうか?
もちろんあります。これを従属試行といいます。

従属試行の例として、袋からボールを取り出す試行をご紹介します。

従属試行の例

中の見えない袋の中に、全く同じボールが10個入っています。
10個のボールにはそれぞれ1~10の文字が書かれています。

ここでボールを1個取り出して、出た数字を記録します。
取り出したボールは袋には戻しません。

これまでに4回行ったところ以下のような数字が出ました。

1回目:4
2回目:6
3回目:2
4回目:3

では5回目に10の書かれたボールが出る確率は何パーセントでしょうか?

 

既に取り出したボールは袋に戻しません。
そのため、5回目にボールを取るときは袋の中には6個しかボールがありませんので、10の書かれたボールが出る確率は1/6で約17%です。

もし5回目で10が出なかった場合、次の6回目で10が出る確率は20%、7回目なら25%、8回目なら33%・・・と10が出る確率は上昇していきます。

このように試行を続けていくと次回以降の確率が変わっていくのが従属試行となります。

従属試行ならばマーチンゲールは有効

負けが連続するほど次に勝つ確率が上がる従属試行のケースでは、マーチンゲール法を利用した資金管理戦略が有効です。

例えばカジノのブラックジャック場合、既に引いたカードはデッキに戻しませんので、従属試行となり勝率は常に変動します。

このルールを利用して、既に引いたカードからデッキに残っているカードを把握して、自分にとって最も勝率が高くなっているときに大勝負を仕掛ける「カウンティング」というやり方があります。

実際に、エドワード・ソープという人は、カードカウンティングを利用したブラックジャックの統計的な弱点を付く必勝法を生み出し、加えてケリーの公式を用いた資金管理戦略を採用することで大成功しています。

しかし、ソープは有名になりすぎたためにカジノから追放され、命の危険も感じたために株式市場に移ります。
そこでスタティスティカル・アービトラージを生み出し、更に大成功を収めます。

ちなみにエドワード・ソープは28歳でMITの教授になった天才で、ノーベル賞を受賞したマイロン・ショールズとロバート・マイロンのブラック・ショールズ理論とほぼ同じ理論を先に発見し、こっそりと実際の運用で使用していたとんでもない人でもあります。

独立試行と従属試行のまとめ

現在の試行が次回以降の試行の確率に影響を与えない⇒独立試行

現在の試行が次回以降の試行の確率に影響を与える⇒従属試行

独立試行のゲームをやっているのに、「勝ちが続いているからそろそろ負けそう」とか「負けが続いているから次は勝てるはず!」と考えることをギャンブラーの誤謬と呼ぶ。

多くのトレード手法やシステムは独立試行

今回はギャンブラーの誤謬と独立試行、従属試行についてお話しました。

記事中でも書きましたが、私が知る限り多くのトレード手法は独立試行です
なぜなら、相場というものはランダム性があり、特定の手法やシステムの影響を受けることは無いからです。

ですから、現在のエントリーが次のエントリーの勝率や期待値に影響を与えることは無いと考えていいでしょう。

もちろんトレーダーのメンタルには直近のトレード結果が大きく影響することもあるとは思います。しかし、トレード手法やシステムそのものは独立試行のため、ギャンブラーの誤謬に陥ると、トレード手法に対して誤った解釈をすることにもつながるため、注意が必要です。

勝ちが続いても負けが続いてもできる限り冷静に。
なかなか難しいですが、トレードの最終的な目的は次のトレードで勝つことではなく、トータルで勝つことです。これを忘れないでトレードしていきましょう。

 

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