月間クロスリテイリング8月号(笑)は、FX-Katsu氏が講師を勤める「ゾーンスキャルFX」です。(販売元の日本投資家育成機構は、クロス社のグループ会社の一つです)

新商材が出る度に書いていますが、昨年からのクロス社の商材の出るスピードは本当に速いです。「投資家を育成する」ということを目標に掲げているそうですが、新商材を乱発するだけで、本気で育成するつもりはなさそうですね。

クロス社の顧客サポートは、主に講師ではなくサポートスタッフが行っています。
これだけ多くの商材があると、スタッフの方々は頭が混乱しないのでしょうか?

そもそもこれまでにクロス社が出してきた「初心者でも1億円稼げるロジック」たちを知っているなら、サポートスタッフなんて辞めてトレーダーとしてやっていけば良いと思うのですが・・・。

そんな疑問は置いといて、今回は新作のゾーンスキャルについてレターレビューしたいと思います。ゾーンスキャルはクロス社にしては珍しく「裁量」を前面に押し出したスキャルピング手法です。

会長のFX-Jin氏によると、クロスグループの中で最も衝撃的な手法とのこと。
全くもって信憑性の無い発言ですが(笑)、一体どんな手法でしょうか。

FX-Katsu氏について

FX-Katsu氏はクロスグループの一つである日本投資家育成機構の社員で、FX-Jin氏とは師弟関係にあるようです。

FX-Katsu氏自身も過去に商材を出したことがありますが、最近は他の講師の商材のプロモーションでインタビューをすることがほとんどでした。(この辺も師匠のFX-Jin氏と同じ道をたどっています)

そんな彼の実績は・・・不明です。
一応、FX-Jin氏に迫る凄腕トレーダーという設定ではあるのですが、過去の取引履歴の掲載はほんの一部の期間のみになっています。

これくらい短い期間だと、両建てして利の乗ったポジションだけを決済すれば、誰でも簡単に凄い勝率の取引履歴を作ること出来てしまいます。

前回ご紹介したダイヤモンド・トレンドFXのプロモーションの中では、「FX-Katsu氏は5日間で690万円稼いだ」となっていましたが、これもほんの一部の取引結果を出しただけでした。

一番時間とカネをかけてるのがプロモーション

クロス社の商材のどれにでも言えるのですが、商材の製作代よりもカネと時間を割いているであろうと考えられるのがプロダクトローンチ用の動画です。

今回は、クロス社の社員の中でも最も理屈っぽいシステムトレーダーである岩田氏をターゲットに、FX-Katsu氏が裁量トレードを教えるという形で話が進みます。

その中で裁量トレードとシステムトレードを比較し、FX-Jin氏やKatsu氏が裁量トレードがいかに優れているかを説いていきます。

  • システムトレードは楽だけどせいぜい年利20%程度で落ち着く
  • 裁量なら月利100%も目指せる
  • 裁量なら負けそうなところを避けられる

かなり裁量トレードをヨイショする流れになっているのですが、かつていFXプラチナファンド・パーフェクトコピー「ほったらかしで億儲けられます!」と宣伝していた人たちのセリフとは思えません。

ちなみにプラチナファンド・パーフェクトコピーは、大幅なドローダウンに見舞われて募集終了となり、現在は被害者の会が出来ています。

こんな一貫性の無い発言をする人たちの言うことを信じる方が難しいと思うのですが、それでも内情を知らない人ならば、心ときめくように作られているのがクロス社の商材です。

プロモーションの内容に話を戻しますと、「FX-Katsu氏が岩田氏にゾーントレードを教えた結果、彼も見事に結果を出すことが出来ましたよ!次はあなたの番です」という茶番になります。

自分たちで言っちゃてるんだからもう何というか・・・。

ゾーンスキャルのロジックについて

手法の概要

ゾーンスキャルは名前に「スキャル」という名前は付いていますが、どの時間軸でも有効で、通貨ペアにも決まりはありません。

商材内では1時間足でゾーンを確認し、5分足でエントリーする解説をしているようです。
手法としては主にトレンドの押し目や戻り、ブレイクアウトを狙う手法になります。

ゾーンスキャルの「ゾーン」とは?

ゾーンとは、相場の高値に引いた2本のラインの間のレートになります。

通常ならば、高値と安値の切り上げを確認して高値と安値にラインを引いていくのが普通です。
しかし、ゾーンスキャルでは現在の高値と一つ前の高値に水平線を引き、その間のレートを「ゾーン」として押し目買いのポイントを探って行くことになります。

実際のチャートで見ると、以下のようになります。

このゾーンを活かしたトレード手法が大きく2種類解説してあります。

ゾーンロジック

ゾーンロジックは、ゾーンの中での押し目や戻りを狙う手法です。

基本的にはゾーン形成後に押しや戻りが入り、条件が揃ったらトレンド方向にエントリーするやり方になります。

利食い方法は二つあり、トレーダーの好みで変えることが出来ます。
また、損切り値も明確なのでOCO決済も可能とのことです。

ゾーンロジックには更に応用方法があります。

計画的なナンピン

ゾーンロジックの基本的な考え方は、「ローソク足はゾーンの範囲内で動く」というのものになります。
ですので、例えば上昇トレンド中であれば、ゾーンを形成後、少し押してエントリー条件を満たす度にナンピンを入れて、最後に大きく反発したところで一気に利食うというやり方があります。

しかし、このやり方はしっかりとした資金管理が必要ですし、ゾーンが破れた場合は全部損切りになります。

買いゾーンの中のでの売り

大きな買いゾーンの中に小さな売りゾーンが出来ることあります。
小さな売りゾーンの中で小さく逆張りのショートをして取っていくやり方です。

上の画像で見る限りは分かりやすそうに見えますが、これを実際にやるとなると、複数のゾーンを見ながら解釈する必要がありますので、かなり上級者向けになるかと思います。

ブレイクアウトロジック

名前の通りゾーンからのブレイクを狙います。
これは昔からある「高値を抜けたところでロング」するというシンプルなやり方です。

この手の手法は確かに大きくブレイクすると一気に取れることがあります。
しかし、その分だけ勝率が低いというデメリットもあります。

サインツールがついてくる

ゾーンスキャルFXには、ゾーンを見つけるために高値安値を自動で検出してくれるツールやゾーンロジックとブレイクアウトロジック用のサインツールが付いてきます。

これがあれば完全無裁量でゾーンスキャルのトレードが出来るというわけではなく、あくまで自分で相場の環境を認識してサインを取捨選択していく必要はあります。つまり、裁量が入ってナンボです。

そのため、問題は「勝ちやすい相場環境はどんなモノか?」「エントリーを避けた方が良いゾーンはどんなモノか?」等についてしっかりと多くのチャートを使って解説してあれば、商材としての価値は上がってくると思います。(クロス社の商材はこのポイントの解説が非常に曖昧なのが特徴です)

2つの高値に水平線を引く事で優位性は得られるのか?

セールスレター内では2つの高値に水平線を引いて、それを「ゾーン」とすることが非常に画期的なように書かれていますが、この手法はあくまでも「ライントレードの一種」に過ぎません。

従来の考え方から大きく進歩しているようにも思えません。
そこでちょっと変化をつけるために「ゾーン」という名前をつけてみた感じではないでしょうか?セールスレターに書かれているような勝率91.2%という数字には期待しない方が良いでしょう。

また、一般的なライントレードでは高値と安値の切り上げの両方を見てトレンドを確認しますが、ゾーンスキャルでは2つの高値、もしくは安値だけを見ます。そのため一見シンプルではあるものの、逆にトレンド方向の把握が難しくなったり、買いゾーンと売りゾーンの一部が重なった場合の解釈の仕方が難しくなるように感じます。

そのため、片っ端にゾーン内でエントリーしても優位性を得られるわけでは無く、しっかりと「ゾーン」を見極めていかないと優位性は得られないでしょう。

個人的にはフィボナッチじゃダメなの?思ったりもします。


チャートで使用しているインジはFib Extensionsmod

フィボナッチだとメジャーすぎて斬新さが感じられませんね。

この手法に10万円以上の価値があるか?

最後になりますが、この商材の価格は107,784円です。
最近のクロス社の商材の価格は上昇傾向にありますが、今回は10万円オーバーと一桁上がっています。

さすがクロスグループの中で最も衝撃的な手法と言うだけはあります。

ですが、個人的にはせいぜい39,800円程度が妥当かなと思います。
様々なツールが付いてくるのは良いことですが、それに頼りすぎるのではなく、しっかりと自分で「勝てるゾーン」を見極める必要があります。

その見極めるテクニックが豊富に解説してあるかしていないかでこの商材の価値はガラリと違ったものになるでしょう。